ペンキ、ニス、ステインの違い

現在では多種多様な塗料があるので、そのすべてを把握するのは大変です。

この記事では中でも紛らわしい塗料の名称について、簡単にまとめていますのでDIYで塗料を選ぶ際や木製家具を選ぶ時の参考にしていただければ幸いです。

木材用塗料は多種多様

塗料メーカー各社が販売している商品名にはあまり統一感がなく、いろいろな単語が使われているのでその特徴が把握しにくいと思います。
ここでは木材に塗装する際の塗料選び、といった視点でキーワードをいくつか挙げてみたいと思います。

ホームセンターなどに塗料を買いに行くとまず困るのがその種類の多さ、ではないでしょうか? 中でもよく目にするのは「ペンキ」「ニス」「ステイン」といった単語です。

一方でプロの家具塗装を施す現場では「ペンキ」や「ニス」といった言葉はまず使われることはなく、「ウレタン」や「ラッカー」、「オイル」、「うるし」と言った具体的な成分名を用います。

つまり「ペンキ」「ニス」「ステイン」。これらは具体的なものではなく、いわば「木部用塗料」という大きなカテゴリーの下に位置する中カテゴリーの様なものと言って良いかもしれません。

ペンキ、ニス、ステインの違い

ペンキ ニス ステイン
特徴
  • 色付きで塗膜を形成する
  • 下地が塗りつぶされる
  • 透明で塗膜を形成する
  • 下地が透けるため木目を生かせる
  • 下地に浸透して着色する
  • 塗膜は形成しない

最初にポイントをまとめるとざっくり上記の様に分けることができます。

ペンキとは?

あらためて発音するとなんか変な響きな、「ペンキ」。

ペンキ:(pek オランダの訛)ペイントのこと。特に、油ペイント。

広辞苑第六版より引用

ペンキ:顔料を溶剤でといた不透明塗料。pek(オランダ)から。paint

パーソナル現代国語辞典より引用

ペイント:…広義には塗料全般に対して使用される語であるが,通常は空気乾燥する防食用および美観用の汎用塗料を指す。俗にペンキともいわれるが,これはオランダ語のpekのなまり。

世界大百科事典より引用

「ペンキ」とはオランダ語のpek から変化した言葉のようです。
言葉の意味としてはペイントとほぼ同じと考えて差し支えなさそうで、要するに塗料のことを「ペンキ」と言ったり「ペイント」と言ったりされているのが現状かと思います。

日本語としてのペンキ

元々が外国語ですから人により解釈がずれてしまうのは仕方ないかも知れません。

特に日本では昭和の中頃まではこの外国語からきた「pek」という単語を外来語として一つの日本語のように認識していたそうです。

その時代の塗料といえば植物油を元とした合成樹脂塗料のことであり、現代のように多種多様な用途で様々な成分が使われていなかったので「ペンキ」といえば皆、だいたい特定の共通した認識があったのかも知れません。

「ペンキ」の意味をその当時の成分に限定して考えれば、「ペンキ」は塗料全般の意味では無くなるし、あくまでも言葉の意味だけで考えれば「ペンキ」は塗料全般の意味、ともとれるわけです。

実際にネットで「ペンキ 意味」で検索するとその解釈は2極化されているようで、

塗料」と「ペンキ」を別物として説明する塗装屋さんのサイトもあれば、「塗料(=ペンキ)」として、同じ意味で商品を販売するサイトもあるのが現状です。

ペンキのまとめ

要点をまとめると

  1. 「ペンキ」はオランダ語の「pek」から。
  2. 日本には塗料と言えば植物油を元とした合成樹脂塗料が主流だった時代がある。
  3. 広い意味では「ペンキ」=「塗料」だが、意味を絞ると比較的耐久性等の性質が低い当時の植物油を元とした合成樹脂塗料のことを差す。
  4. いずれにしても不透明で着色剤が含まれ、塗膜をつくる塗料のこと

ニスとは?

一般的に、木に塗るものと言えば「ニス」を連想する方は多いのではないでしょうか。
実際、お客様と家具の仕上げの話をすると「ニス」という単語をよく耳にします。

現にホームセンターなどにもかなり「ニス」とつくものが多く並んでいるので最もなのですが、先にも述べたように「ニス」というのはあくまでも一つの特徴を持った塗料の総称なので具体的なイメージにつながりません。

例えば何かの料理のレシピの話をしている中で「酸味料」とか「甘味料」とか「香辛料」といった漠然とした言葉だと、具体的なイメージができないのと同じです。

ニスの語源

この悩ましい単語の「ニス」ですが、元は英語の「ワニス」からきています。

ワニス(熟字訓で仮漆)、ニスまたはバニッシュバーニッシュVarnish)は、木材などの材料の表面を保護するために用いられる塗料の一種で、透明で硬い上塗り剤である。英語の「Varnish」が日本語に移入される際に「ワニス」と訛り、さらにその語を短縮して「ニス」と呼ばれるようになった。

wikipediaより引用

 

英語のVarnish(バーニッシュ)が訛って「ワニス」、さらに「ワ」を省略して「ニス」、となったんですね。いかにも日本らしい言葉の変化ですね。

因みにこれに似た変化でvaselinevaccineを「ワ」と発音されて「ワセリン」「ワクチン」と変化していますね。
塗料のニスもこのような変化で「ワニス」となり、さらには「ニス」と呼ばれ続けてきたのが分かりました。

ニスの特徴

ではVarnish(バーニッシュ)「ニス」の意味は何を指しているのか?
wikipediaでは

木材などの材料の表面を保護するために用いられる塗料の一種で、透明で硬い上塗り剤である。

とあり、広辞苑第六版には

顔料を含まず、透明な塗膜をつくる塗料の総称。

とあります。

ポイントは

    1. 透明であること
    2. 塗膜をつくり材料を保護する効果があること

この二つは「ニス」と呼ぶ以上、外せない条件のようです。

透明なので木材に塗る場合、木目を生かしつつも、表面に塗膜をつくることで保護性も高いのが最大の特徴です。

このポイントを覚えておけば、応用的に商品名が「カラーニス」だったら、透けてはいるけど色があり塗膜ができる塗料の事、と分かるし「油性ニス」だったら、成分が油性で透明塗膜ができる塗料のこと、と察しがつきますね。

ニスのまとめ

繰り返しになりますが「ニス」とは数ある塗料の内、「透明な塗膜をつくる塗料」の総称ですから種類も成分も多種多様。
調べれば調べる程、深みにはまります。

例えば私達日本人にも馴染みの深い漆(うるし)や、油性漆とも言われるカシュー。これもニスと言えばニスだし、家具塗装でよく使われているウレタンも、最近では少ないながら家具塗装で伝統的なラッカーも「ニス」の内に含まれるわけです。その他にもニスにはアクリルやエポキシを含む合成樹脂が良く使われています。

実際にはその成分の特徴に大きな違いがありますので、そこに注目して各特徴を考慮する必要があるわけです。

ステインとは

ステインはそのまま英語のstainからきた名称です。

stain:

(コーヒー・ジュース・血などによる)しみ、よごれ、汚点、きず、(木材などの)着色剤、(顕微鏡検査用の)染料

https://ejje.weblio.jp/

ペンキやニスは木材の表面を保護するために物質的に塗膜でコーティングするための塗料でしたが、ステインは根本的にその目的が違います。

ステインとは単に木部に浸透させて着色する着色剤、という意味です。

ですから乾くと蒸発してしまう水を溶剤とした「水性ステイン」と書かれているものは基本的に着色と兼ねて木材表面を保護する効果はありませんので、表面保護や艶が欲しい時には他に上塗りする必要があるわけです。

一方、「油性ステイン」、「オイルステイン」はその配合次第で、艶を与えたり、ある程度耐水性を得られたりもしますので、必ずしも上塗り材が必要ではありません。

いずれにしてもステインで着色するメリットは塗りやすいことと、木目を最大限引き立たせる効果があることです。
塗膜をつくらないので手触りも木の質感をそのまま残すことができます。

また、商品名には「水性ステイン」、「オイルステイン」或いは「水性オイルステイン」、または「油性ステイン」など、ラベルだけでは分かりにくくややこしいいものが結構あります。
中には「オイルステイン」と謳いつつ、成分表には【種類:合成樹脂塗料】としか書いていない商品もありますが重要なのはその成分なのでよく確認することをおすすめします。(合成樹脂塗料の場合、耐久性は強いが植物性オイルとは似て非なるもの)

表面保護と同時に木地の色味や質感を十分に生かしたい時はステイン(着色剤)の入っていないオイルを選ぶこととなりますが、そんな時は木材用「オイルフィニッシュ」「木部仕上げ用オイル」などを選びましょう。

植物由来の天然成分にこだわったオイルを選ぶことで、人体に有害な物質を極力避けることができるのもオイル仕上げのメリットの一つです。

因みに古くから使われている柿渋も浸透させて着色するので言わばステイン類の一種と言えそうですが、柿渋の場合、発色するのは空気中の酸素による酸化や日光の影響によるものなので他のステイン(着色剤)と違い、後から色味が変化することに注意が必要です。

ステインのまとめ

  • ステイン=着色剤
  • ステインには水性、油性(オイルステイン)があり、水性は保護力が無い
  • オイルステインは種類が豊富なので具体的な成分を確認する必要がある
  • 木材ならではの木目や手触りを最大限引き立たせるなら天然成分にこだわったオイルやオイルステイン(自然塗料)を選ぶと良い

最後に

以上、木部に塗装する選択肢としてペンキ、ニス、ステインの違いをまとめてみましたが、同じ木部でも屋外用の塗料となるとさらに防腐剤や防蟻材が含まれたものや、直射日光に対抗する成分が含まれているものを選ぶ必要があるかと思いますが、屋内で使用する木製家具(無垢材)においてはそこまで必要ありません。

当工房では極力、環境にも人体にも害の少ない塗料である植物由来のオイル仕上げをオススメしています。

塗装について
当工房の塗装方法は基本的にオイルフィニッシュを採用しています。 オイルフィニッシュとは木が本来持っている木味や艶を自然のままに生かす塗装法のひとつで、比較的メンテナンスも容易にできるため、無垢材で作られた家具を末永くお使い頂くには最適...

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