木工を続けていると分かる事ですが、非常に道具が必要になってきます。
そんな中にクランプ、というものがありますが、これがまた用途に合わせてたくさんの種類が必要なわけです。
今回はそんなクランプ、について、ではなく
クランプの代わりになるあるもの、についての話です。
枠を組み立てるときのクランプ類
45°に切った角材を枠状に組みたい時は例えば
こういったものだったり
このような市販のものを使うと大変便利ではありますが、これはあくまでもつくるものが少数の場合、です。
そもそも昔はこんな便利なクランプは無かったのですから、その時代はどのように組み立て、圧着していたのでしょう。
クランプに代わるもの
角材などで枠を組み立てたいとき、クランプに代わるもの、それがこれです。
この一見、長~い靴ひも、のようなこのひも。
これこそが枠を組み立てる際に古くから使われてきた道具です。
使い方はいたってシンプル。
巻き付けるだけ。
そんなんで圧着できるの? と思うかも知れませんが、大丈夫なんです。
世の中に星の数ほどあるヒモ、ですがこの靴ヒモみたいなヒモこそが絶妙に伸縮性があり、枠を組み立てるのに適したヒモと言えるのです。
なかなかみつけられなかったヒモ
ところで先にお見せした写真のヒモは、数年前、指物の講習会で先生からご厚意で少し分けて頂いたものでして、この長さではせいぜいお盆が2つくらい縛っておしまい、となります。
だいたい小物をつくるときは10枚くらいはまとめてつくりたいのでつまり、足りないのです。
では買いましょう、と思って数年前に探してみたのですが、これがどういうわけか売ってる場所が分からないのです。
最初、靴屋?と思いましたが、そんな長いのあるわけないなと思い直し、こんな時は現代人の真骨頂、ネットで検索!となるのですが
「ヒモ」で検索しても「ロープ」で検索してもなぜかみつかりません。
「長い ヒモ」と検索してみると「靴ひもが長いときの対処法」とか・・・。
いろいろ探したあげく「綿 ひも」で検索してみると手芸店のサイトがいくつかでてきます。
なるほど手芸店ならあるのかな?と探しますが、今ひとつ、これ!てものがありません。
結局、数年間放置していました。
で、近頃再び探してみました。
ようやく見つけました。
これです。
東京は台東区にあるお店ですがネット販売も充実しています。
町田絲店⇒http://www.machida-ito.co.jp/
このお店の品数は半端じゃありません!!
綿生地で程よい幅、形状のヒモが50M。料金も送料込みで2052円とリーズナブル。
まさかここまで理想的な買い物ができるとは思っていませんでした。
枠の縛り方
縛り方はぐるっと2周位巻き、ぎゅっと締め付けてから、角の部分で元のヒモに重ねるように、下に潜り込ませておしまいです。
これなら小さいものならたくさん続けて組み立てていけますし、大きな箱物家具の台輪でも数台分は縛れそうです。
最後に
結局、糸専門店に理想的なヒモがあったわけですがところでこのヒモ、本来はどんなものをつくるための材料でしょうね?
巾着袋の口を閉じる部分?かパーカーのフードに通すヒモにも使えそうですが、ヒモなら昔からあるものなので木工でも多いに活用されていたことでしょう。
そういえば桐箪笥職人が板はぎ(板を幅方向に接着)する時にもヒモでやっていたのをみたことがありますし、引き出しの底板をくっつける時にも使いますね。
今ではクランプ類やプレス機といった道具と機械が普通ですが原点はヒモにあるわけです。
すごいなヒモ。
何せ植物由来ですから、いっさい環境も汚しませんしね。
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