ちゃぶ台とは|当工房が考える、いま使うためのちゃぶ台

ちゃぶ台という家具について、
説明しようとすると、
どこか気恥ずかしい気がします。

なぜなら、ちゃぶ台という家具は
多くの日本人にとって
「知っている家具」なのはもちろん、
いつの間にか記憶の片隅に置かれている、
他にはない存在でもあるからだと思います。

家族で囲んだ食卓や、
何気ない日常の風景と結びついて、
実物以上に大きな印象を残している家具。
それが、ちゃぶ台なのかもしれません。

ちなみに「ちゃぶ台」の「ちゃぶ」という言葉については、はっきりとした定説はなく、いくつかの説が語られています。

  • 中国料理を指す「卓袱(しっぽく)」の唐音・南方音が変化したとする説
  • 中国南部で「食事」を意味する言葉(チャフ・ジャブンなど)が由来とする説
  • 明治期に広まった中華・洋食店(チャブ屋)で使われていたテーブルから来たとする説

いずれも決め手に欠け、結局のところ「これだ」と言い切れる答えはありません。

ただ、この曖昧さこそが、ちゃぶ台という家具の成り立ちをよく表しているようにも思えます。
もともと特別な格式を持つ道具ではなく、生活の中で必要に応じて形づくられてきた存在だからです。

ちゃぶ台とは、 日本の暮らしの中で使われてきた 低い高さの食事用テーブルのことを指します。

一般的には、 四本脚で、角形または円形、 そして折りたたみ脚を備えたものが多く、 畳の部屋で家族が床に座って囲むことを前提とした家具です。

ただし、 「これがちゃぶ台だ」と はっきり線を引ける定義があるわけではありません。

もともとは中国料理店で使われていた卓(卓袱)や、 西洋由来のテーブルの要素を取り込みながら、 日本の住まい事情―― とくに狭い間取りや畳生活に合わせて、 職人や大工の手で少しずつ形を変えてきたものが、 私たちの知っている「ちゃぶ台」になっていったと考えられています。

初期のちゃぶ台には、 折りたたみ機構を持たない固定脚のものも多く、 現在当たり前のように見られる 「使わないときに畳める」構造は、 都市部の狭い住環境の中で生まれた、 極めて実用的な工夫でした。

つまりちゃぶ台は、 最初から完成された様式として存在した家具ではなく、 暮らしの変化に合わせて 必要に迫られ、削られ、工夫され続けてきた道具 だったと言えるでしょう。

だからこそ、 豪華さや格式よりも、「家族が集まる」「日常で使われる」ことを第一に考えた、 控えめで素朴な佇まいのものが多く残っているのだと思います。

当工房なりの「ちゃぶ台」

当工房でちゃぶ台を作るにあたって、 まず前提にしているのは、 ちゃぶ台を懐かしさだけの家具として扱わない、 ということです。

確かにちゃぶ台は、 昭和の団らんや、 家族が床に座って食事をしていた風景と 強く結びついた家具です。

しかし本来のちゃぶ台は、 時代の変化に合わせて 形を変え、機能を磨かれながら 使われ続けてきた、 きわめて実用的な生活道具でした。

狭い部屋でも使えること。 使わないときは片付けられること。 家族が集まる場として 無理のない大きさであること。

そうした条件の積み重ねが、 結果として 折りたたみ脚という構造や、 過度な装飾を省いた形につながっていったのだと 私は考えています。

当工房では、 こうした背景を踏まえた上で、 ちゃぶ台を現代の暮らしに合う家具として 見ています。

床に座って食事をするためだけでなく、 くつろぎの場として、 作業台として、 あるいは家族が自然と集まる 中心の家具として。

無垢材の質感を生かし、 必要以上に主張せず、 使いながら手を入れ、 長く付き合っていけること。

ちゃぶ台とは、 「昔の家具」ではなく、 暮らしの中で役割を変えながら 今も使われ続けてよい家具だと思うのです。

当工房のちゃぶ台について

ここまで、 ちゃぶ台という家具の成り立ちや、 当工房なりの考え方をお伝えしてきました。

実際のちゃぶ台は、 文章や写真だけでは なかなか伝わりきらない部分も多くあります。

天板の厚みや、 脚を折りたたんだときの収まり、 無垢材の手触りや重さ。

そうした点は、 ひとつひとつの制作事例を見ていただくことで、 より具体的に感じていただけると思います。

もし、 現代の暮らしの中で使うちゃぶ台に 少しでも興味を持っていただけましたら、 下記より当工房の商品例をご覧ください。