【リメイク例】水屋箪笥の剥離塗装と扉リメイク

水屋箪笥の修復及び、リメイクのご依頼を受けたのでご紹介します。

まずは全体の状態です。

BEFORE
AFTER

外観は一見するとこのままでも味のある雰囲気はありますが、内部は長年使用せず保管されていたのでしょうか、かなり蓄積された埃や汚れ、破損部分が見られました↓

リフレクション~水屋箪笥のリメイクを振り返る~

本体

まずは本体の骨組み以外を全部外します。 というか壊していきます。

今回は、幸い構造体は歪みもなくしっかり維持されていたので解体は最低限で済みましたが、躯体がぐらぐらの場合はさらに部材を解体、或いは作り直したりすることもあります。

交換する部材、板部分を全部外したところで塗装の剥離に入ります。

因みにこの材料はヒノキとスギが混ざっている様で、針葉樹なので大きさの割に軽く扱いやすいです。

剥離剤とサンドペーパーで剥離後、さらに細かい番手で仕上げます。

その際、深いキズはむしろ残っていた方が自然なエイジングなので生かしつつ、細かいキズや汚れ、シミなどはしっかり消えるまで仕上げます。(残しておくキズとしっかり削って取り除くべきキズを見極めて)

着色した後、オイルで仕上げます。

BEFORE
AFTER
AFTER

今回は内部の材料にはこだわらない、と言うことで中板、背板は合板を使いました。
因みに内部まで無垢材を使用すると将来的な収縮を考慮したつくりにする必要もあり、製作コストが上がってしまします。

天板

この水屋箪笥は高さ140cm程度と低めのサイズにも関わらず、天板は前と横部分に飾り縁があるだけ、という仕様だったので、天板上部の傷みや汚れがとても目立ちます。

もともと古い箪笥類はこういった作りが多いですが、高さ的にちょっとしたディスプレイ台等としても使えるように新たに天板を製作して取り付けました↓

AFTER
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抽斗(ひきだし)

当初は底板のみ交換の予定だった引き出しも金具を外して状態をよく見てみると、傷みが激しくかったため、せっかくなので側板も新材に交換させて頂きました。

材料はヒノキの無垢材で見た目だけでなく香りもいい感じです。

本体、引き出し共に着色まで終えた時点。
引き出し内部は通常通り無塗装です。
背面から。 引き出し後ろ側に新たにストッパーも設けました

引出しの取手は一部破損して無くなっているものがありました。

仕方ないのでトタン板でつくってみました。(下)

仕上げは全て黒で上塗りして完成です。

BEFORE
AFTER
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AFTER

引き戸

こちらの引き戸は網戸仕様でしたが、これはガラスに取り換えをご希望されました。

上台の下段引き戸も板の羽目板部分を格子とガラス仕様に変更です。

今回のリメイクの見せどころでもあります。

本来は框組の枠と一体で格子を組むところですが、框を生かして格子部分だけを追加なので全面から内側にピッタリに作って落とし込み、真鍮釘で取り付けました。

水屋箪笥のリメイク~BEFORE/AFTER

最後にもう一度全体の比較です。

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以上、水屋箪笥のリメイク例をご紹介しました。

弊工房ではこのようなリメイクも承っておりますので、もし古家具の修復、リメイクでご相談があればお待ちしておりますので下記のお問い合わせフォーム、又はEメール(mail@kigurashi-kagu.com)よりお問い合わせ下さいませ。

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