ちゃぶ台の考察

当工房ではオリジナルのちゃぶ台を作るべく、その全盛期であった昭和時代のちゃぶ台を参考に、ノスタルジックでかつ、機能美、実用性を兼ね備えたちゃぶ台を目指し、ようやく第一号を完成させました。

ちゃぶ台のはじまり

ちょっとここでちゃぶ台の歴史を簡単に振り返ってみます。

江戸時代までの日本は縦社会が色濃く残っていた時代でした。

その頃では身分の違う物同士が同じ食卓を囲んで座るなど、ありえないことで、その頃は銘々膳で各自に食事用の台が用意されていたようです。

ですのでまだ家族や仲間どうしで一緒に輪になって座ることになるいわゆるちゃぶ台の様なものはまだ登場する由がありませんでした。

調べてみると、ちゃぶ台が普及し始めたのは明治20~30年頃からで、徐々に身分の高い支配層から取り入れられ、その後一般人にも認識されるようになって来たことが分かります。

それは中国からの文化と共にやってきたわけですが実はその当初のテーブルは固定脚の物で、今で言うところの座卓です。

日本ではその後、二通りに進化していきます。ひとつには床の間付きの和室などで使われる比較的豪華な座卓。こちらは固定脚のまま、どっしりと重厚なものに発展していきました。

一方、特に都市部の狭い住宅事情を受けて生まれたのが折りたたみ脚のちゃぶ台です。

私達が「ちゃぶ台」と聞いて思いつくソレ、です。

一般庶民が使う物として普及した折りたたみ脚のちゃぶ台はその後、昭和40年前後をピークに衰退していきましたが、デザインは素朴で材料もその多くはその土地土地で手に入る質素なものを使っていた様です。

脚部分などはとくに悪い材料でも黒塗りにして使っているものが今でも多く残っています。

古い黒塗り脚のちゃぶ台

ちゃぶ台といえば丸い形を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は古くから使われてきたちゃぶ台の多くは長方形のもので、今では古家具の中でも丸いちゃぶ台の方が希少なものとなっているようです。

古家具の丸い形は長方形よりも少ない

当工房のオリジナルちゃぶ台

今では多種多様な生活様式が広まっていますからちゃぶ台は全く必要ない方も多いと思います。

それでも一方で、レトロ好きな方の間では昔懐かしいちゃぶ台の味わい深さを求めて古くなったちゃぶ台を利用されている方や、あるいは骨董市やアンティークショップなどで、買い求める方もまだまだ健在かと思われます。(もちろん私もその一人)

ただ、数十年も時を経たちゃぶ台には、「味わい」を通り越して、見るも無惨な姿のものが多いのも事実。

当工房では「新しいのに懐かしいちゃぶ台」をコンセプトにデザインしましたので、そんな昔懐かしいちゃぶ台をお探しの方にもオススメです。

ちゃぶ台の脚の折り方

今でも昭和時代の古いちゃぶ台は流通していますが、一般に入手できるちゃぶ台の脚の構造のほとんどはこんな感じのものです。

両側脚を開いて薄い幕板を起こして突っ張らせるしくみですね。

昔のちゃぶ台の弱点

これは製作上、意外と加工精度でそのグラツキ方が左右されます。
当時はほとんど手加工で製作していた様子が覗えますから、製作者によって商品のクオリティーは相当違ったのではないかと思います。(それでも売れていたのですから良い時代だなあ、とも思います。)

このタイプの脚の最大の欠点は使用すればするほど、木材がこすれて減っていき、どんどん揺れが大きくなっていくところです。

実は昨今では木製の折りたたみテーブルでも脚を畳む部分だけ強力な金物を使えば、ほとんど揺れること無く使えるテーブルは、より簡単につくれます。

しかし、当工房では「味わい深い、昔ながらのちゃぶ台」を製作したいので見た目にどうしてもチープに見えてしまう折れ脚金物は使いたくありませんでした。

そして今回、何度か試行錯誤して行き着いた方法がコレです。

昔のちゃぶ台の中でも後期ともなると脚を単独で折る方法が見られるのですが、それを脚二本毎にまとめた形です。

畳むときは脚の上部のストッパー(木で作ったボタンのようなもの)を抑えながら可動させるのですが、これだとすれる部分は揺れ巾に影響しないので、どんどん揺れがひどくなることはないですし、畳んでいるときに斜めになってもバタバタ脚が暴れることもありません。(古いタイプは持ち運び中に脚がバタバタします)

脚を出すときは溝の所にストッパーがカチッと音がするまで脚を上げるだけ。動作も少なく済みます。

平蝶番こそ使用していますが、折れ脚用の金物を仕様するよりはレトロ感を感じるはずです。

それと昔の物は天板が幅方向に収縮のある無垢材を使用しているにもかかわらず木ねじで遊びを設けずにかっちり止めて、その上、木ダボで塞いでしまっているものがほとんどです。

木ダボを掘って、中をみると、木ねじは全く余裕のない通し穴で締め付けられています。
これでは数十年もすれば十中八九天板の矧ぎ口(板同士の接合部)がとれるのはあたりまえです。


上の写真では木ねじを通す穴に余裕がないため、乾燥が進み、縮もうとする力が働き、矧ぎ口が綺麗にとれています。

こうして多くの古いちゃぶ台たちは、やむなく粗大ゴミに出されてしまったことでしょう。

当工房のちゃぶ台は、できる限り永く使っていけるように考慮して製作してあります。
数十年先に、何かあった場合でも、修復や再塗装がしやすいように、木ねじの頭を木ダボで塞ぐこともあえてしていません。

キグラシ家具工房オリジナルちゃぶ台

サイズ(㎜)

W870×D570×H300(畳み時80)

重量

12Kg(無垢材ですので個体差が大きいです。おおよそのご参考程度にお考え下さい。)

材料

タモの無垢材

参考価格

66000円(税込)

※サイズによって価格が変動します。

お見積もりやお問い合わせはお気軽にこちらからどうぞ

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