掘り炬燵に設置するテーブルのご依頼を受け、製作させて頂いたテーブルをオーダーの一例としてご紹介させて頂きます。
打ち合わせから完成までの流れ
今回はHPをご覧頂いたお客様よりお電話でのご相談を皮切りに幾度となく打ち合わせをさせていただきました。
まずは丁度新築されたお宅へ現場調査を兼ねてご希望を伺いにお邪魔しました。
そこでのやり取りと図っていた寸法を元にこちらからいくつかのデザインをご提案させて頂きました。
今回のお客様はメールやPC上でのやり取りが可能でしたのでそうさせて頂きましたが、PCが苦手な方でしたら距離にもよりますが可能な限り電話か対面での打ち合わせをさせて頂きます。
こちらのご提案の中で気になることなどを解消し、ご検討頂いた結果今回は厚板で座った時に膝周りがスッキリしたデザインとなりました。
デザインが決まりお見積り額にもご了承頂いた時点で、正式のオーダー受注となります。
正式に受注した後は基本的に3割~5割程度の内金を入れて頂き、いよいよ製作に入ります。
材料はクリの荒材から5枚ほどを横につなげて板に仕上げます。
この段階で節もほとんどない綺麗な材料であることが分かりますが、そもそも材料を仕入れる段階でテーブル天板用に節の無いものを材料屋さんに選別してもらっています。
木材を仕入れるときはこのように場合により綺麗な材料を選んで正に適材適所に仕入れるようにしています。
と言うのも木材は同じ樹種で同じサイズでもその程度、状態により価格が変わるからです。
さらには、その時の社会情勢にも影響を受けている様で、常に価格は変動しているため、家具に使用するような広葉樹の良材はとても貴重なので、可能な限り無駄のないように使いたいというわけです。
話はちょっとそれましたが、こうして大きな天板となった後に鉋でまっ平に削り、磨き上げて仕上げます。
裏には反り止めを施しますが、これもご提案の中からお客様に方法を選んで頂きました。
この方法は「送り寄せ蟻(おくりよせあり)」と呼ばれる伝統工法の一つです。
落とし込んで横にたたき込むことで吸い付くようにして板の反りを抑えます。
脚はこんな感じに加工して専用の金具を取り付けました。
ボルト一つで取り外し可能なタイプです。
この辺は利便性と強度を兼ね備えた最近の専用金具が重宝します。
ところで今回のテーブル、ご覧の様に二つ分かれています↓
その理由は、ほぼ正方形の小さいほうだけを設置することで麻雀を愉しむためだそうです。
正に雀卓に丁度良いサイズですが、他にも使用人数や用途によって二つのテーブルを使い分けることができるのでこのデザイン、とても使いやすいと思います。
このように使用する方に合わせてそれぞれのデザインが生まれるのを目の当たりにできるのもこの仕事をしていて面白い所でもあるし、やりがいに繋がるところでもあります!!
新しい畳や和室に寄りすぎていない空間に程よく調和したテーブルになったと思います。
オーダー家具は一軒毎にさまざまな生活の違いに応じて製作します。
家具に対する考え方や工法の見直しなど、ご依頼を受ける度に学ぶところがたくさんで、今回もまた良い経験をさせて頂きました。 ご依頼頂いたお客様には大変感謝の限りです!!
最後に
最後までご覧いただきありがとうございます。
オーダー家具の一例として今回はテーブル製作の大まかな流れをご紹介いたしました。
オーダー家具は敷居が高く感じている方も多いかもしれませんが、弊工房では可能な限り、低~い敷居で軽いご相談だけでも乗らせて頂きますのでどうぞ何かありましたらご相談くださいませ。